幼い子ども3人を抱え、日常の家庭生活と仕事に忙殺されているツバメのお父さんです。
子どもができてから一度も行っていない映画館で久しぶりに映画を観ました。
観た映画はおっさんには似つかわしくない恋愛映画の『花束みたいな恋をした』(2021年)です。
恋愛とほど遠い生活をしているアラフォーおじさんがなぜ恋愛映画を観たかって??
それは、妻と付き合っていたときに浮かれていた気持ちを思い出したかったことと、男女関係における女性の内面をいまでも知りたいからです。
映画館には学生の女の子たちが多かったので、なかなか肩身は狭かったけど(笑)、いろいろ考えさせられて観てよかった作品でした。
ネタバレを含んでいますので、これから作品を観ようと思っている方は観てからまたブログに来てください!
『花束みたいな恋をした』の率直な感想
映画館で観終わってすぐの感想は
ここまで意気投合してる恋愛をしてても結局は結婚しないんかい!
でした。
でも不思議と後味は悪くなかったです。
むしろ、終わった後も楽しかっただけで終わることなく、いろいろ思考を巡らせる映画になりました。
まずは観てすぐ感じたことです。
恋愛してるときの世界がとにかく明るく感じる気持ちを思い出した
恋愛映画を観て一番いいのは、恋愛しているときのキラキラした明るい世界を思い出すことです。
若い女の子みたいなこと言ってキモイかもしれませんが、私も妻と(浮かれていた)恋愛時代があって、そのときは何をしてても楽しく、世界が明るく感じられたものです。
(もちろんいまだって楽しいですよ!)
『花束みたいな恋をした』の絹(有村架純)と麦(菅田将暉)を見ていると、お互いの共通点を見つけ運命を感じているあたり、妻と付き合い始めた頃の自分がまさに同じように浮かれていたことを思い出し、ほっこりしました。
いま恋愛してます!
ってときの気持ちってホント最高ですよね!
一人暮らしのボロアパートでもふたりで過ごすだけで夢のような時間。その気持ち忘れなくないですね。
恋愛映画でひとり幸せな気持ちに浸ってるおじさんはやばいでしょうか・・・
同棲は将来のことを考えると微妙
絹(有村架純)と麦(菅田将暉)は、大学生で就活の時期くらいから半同棲みたいな生活を始めました。そして、うつつを抜かして2人とも就職せずに卒業しました。
同棲してなかったら、恋愛する時期がもう少し違っていたら、同じ進路を歩んでいたでしょうか?
少なくとも絹(有村架純)は就職したんじゃないかと思います。
就職することがベストとは言いませんが、進路選択に同棲がいい影響を及ぼしたとは私には思えませんでした。
また、最終的に2人は結婚することなく別れていますが、これも同棲していたからこそ結婚に至らなかったと思いました。
同棲して相手のよくないところが結婚前に分かって、同棲することがいいと考える人がいることも分かります。
ただ、結婚適齢期に結婚したい女性にとって同棲はすごい微妙だと思います。
幸い絹(有村架純)は、自分から別れを決断できたので長引かせずに済みましたが、ハッキリしない麦(菅田将暉)に主導権のある関係であったら、ずるずると関係を続けて、結婚適齢期を過ぎて別れるようなことになっていたと思います。
同棲しないで付き合っている関係だったら麦(菅田将暉)も絹(有村架純)との関係にあぐらをかくこともなく、もっと頑張っていたのかな、とも思いました。
また、同棲って新婚の美味しいところを先に経験しちゃうと思いません??
ずっと一緒にいられるなんて、こんなにうれしいことはないっていう思いで同棲を始めるけど、同棲してから結婚したら、その思いはもう感じられませんよね?
同棲の経験者ではないので怒られてしまうかもしれませんが、結婚生活をこれから頑張ろうっていうときに新婚の旨味が少なければ、お互いを思いやる気持ちがあまり持てず、なあなあになって、こんなつもりじゃなかった、なんてことになってしまいませんか?
この映画を観てもやっぱり私としては、結婚を目指すなら同棲はすべきではないとあらためて思いました。
大学生の飲み会のノリって本当めんどくさい
映画の本編とは外れますが、映画のなかでは大学生の飲み会やカラオケの場面もありました。
自分が大学生の頃なんてもう20年近く前の話ですけど、大学生特有のあのくだらないノリは当時も今も反吐が出ます。
多くの人にはあれこそが楽しいのかもしれませんが、酒も飲めない、大人数の飲み会は苦痛でしかない私にとっては、バカ騒ぎする飲み会は何よりも嫌いなことです。
社会人になってそのような場面がなくなったことは、結構天国なんじゃないかと映画を観て思い直しました。
大学生は自由を謳歌できて羨ましいようだけど、社会人に比べると自意識過剰で、他人の目も気にしがちだったりもするし、友達関係で悩まなくていい社会人も意外と悪くないなぁと思いますね。
どうしてたら別れではなく結婚になってたか考えたが
ふたりが最終的に別れて、別のパートナーの過ごすシーンを観て、もしあのときこうしてたら、別れずに結婚できたのでは?
と考える人は結構いたんじゃないかと思います。
私も観終わったあと、例に漏れず考えました。
さっき挙げたように、同棲しなかったら結婚できたんじゃないか、とか
麦(菅田将暉)が絹(有村架純)との今後を考えてちゃんと就職して仕事に没頭したけど、忙しい職場だったから趣味も一緒に楽しめず上手くいかなかったんじゃないか、とか。
でも、しばらく考えてみたけど、最終的には別れる運命にあったのかなぁという結論に至りました。
このふたりの雰囲気だと、付き合い始めから、なんとなく付き合ってみた、みたいなほわわーんとした雰囲気で決断すべきこともハッキリさせないことばかりだったので、同棲以前の問題かと思いました。
だから、仕事のことでふたりの関係が噛み合わなくなってきたんだと思いました。
深いこと考えずに一緒にいてただ楽しいのは、現実に目を向けなくても済む時期だけですよね・・・
最後に、主人公のふたりがもっとこうだったら良い女、良い男になると思うことを老婆心ながら勝手に想像して締めたいと思います。
絹(有村架純)の女性として良くないところ
一言でいうと、
清楚な顔して尻軽すぎやしないか?? ということです。
(有村架純さんのファンの方、怒らないでくださいね。あくまで役での話ですから)
まず、出会ったその日に麦(菅田将暉)が他の女の子と仲良くしてるところを見て嫉妬して帰ろうとした場面に唖然としました。
ただ終電逃して、たまたま同じように帰れない大学生(麦)と飲んでいただけなのに、嫉妬して無理やり帰ろうとするなんて魔性だなって思いました。
そして、追いかけてきてくれた麦(菅田将暉)の家に行ってしまう。かなりの尻軽ですよね。
また、イベント会社に転職してすぐの会社の飲み会で酒に飲まれた場面。
飲み会の後の場面は詳細に描かれていないけど、これって絶対、社長(オダギリジョー)とホテル行ってる流れだと思いました。
彼氏がいるのに酒に飲まれてホイホイっていうのは、さすがにちょっと・・・
麦(菅田将暉)の男性として良くないところ
しょっぱなから「うわっ」て思ったのは、出会ったその日に家で自作のダムの映像を見せたところです。
出会ったばかりでも意気投合してると思ってたからこそ、自分のマニアックな趣味も受け入れてくれると思って見せたんだと思いますが、いきなりこれはやりすぎだと思いました。
そりゃ、これを深夜に見せられたら寝ちゃいますよね。よくこの後の関係が続いたなって正直思いました。
あと、女性の気持ちがわかってないところが散見されてたとおっさんの私ですら感じました。
なので女性からしたら、とんだ勘違い野郎と思われても仕方ないんじゃないかと思います。
たとえば、近所の個人経営のパン屋さんが閉店したと絹(有村架純)がメールしたことに対して、駅前にパン屋があるからいいじゃんといった返信をしたこと。
一緒に閉店を悲しんで、そのパン屋さんの思い出をやり取りするくらいの反応をしてあげなよって思ったものです。
また、最終的には別れ話になったファミレスでの場面。
ケンカも会話もなくなっていたふたりの関係。その状況でも別れたくなかった麦(菅田将暉)は、プロポーズします。
でもそこでのセリフが
「ずっと同じだけ好きでいるなんて無理」とか
「今家族になったらうまくいくと思う」とか
夢も希望もないような諦めの先に結婚があるような言い方。
結婚に憧れや夢を抱かせるのが男かと思うのに、この状況でこんなことを言ってしまう麦(菅田将暉)は女性の気持ちを考えていると全く思えませんでした。
自分基準でしか女性の気持ちを考えられていない象徴的な場面だと思いました。
さいごに:映画をきっかけに
この映画をカップルで観ると別れる、と言われているようです。
でもそれって、うわべだけの軽いカップル、ただ楽しいだけのカップルだと別れる原因になるのかなって思いました。
趣味が同じで運命的な出会いだと思っても、将来について見ている方向が違うと、こうもすれ違うのかとまざまざと感じることになるのではないでしょうか。
だから、結婚を真剣に考えているカップルだと、この映画をきっかけに自分たちの今の状況をちゃんとふたりで話し合って、より深い関係に進展すると私は思います。
結婚生活が長くなってきた私も初心を忘れず、妻を大切にしていきたいと再認識させられた映画となりました。
おっさんが恋愛映画観てもいいですよね・・・?